歯周病とは

歯周病の原因

歯周病は、お口の中に常在している”歯周病を引き起こす細菌”による感染症です。プラーク(歯垢)や食べかすなどが残った状態が続くと、細菌が出す毒素で歯茎が炎症を起こします。軽度であれば正しいブラッシングで歯を清潔にし、歯茎をマッサージすることで改善することも多いのですが、症状が悪化すると歯周組織や顎の骨を破壊してしまうため、歯が抜けてしまうような最悪の事態を招くこともある恐ろしい病気なのです。

細菌の攻撃に対する私達の免疫力が低かったり、細菌が免疫より強かったりすると、歯周病はどんどん進行してしまいます。そのため歯周病を治すには、”歯周病原性細菌の量を減らすこと”が重要となります。

あなたのお口の状況をチェックします

プラーク(歯垢)の付着を調べます

お口の中にプラーク(歯垢)がどれだけ残っているかを調べるために、専用薬液を用いてプラークを赤く染め出して見やすくします。その部位の割合を数値化することで、患者さまのプラーク残存状況を客観的に診察してまいります。磨き残しの量だけでなく、どこがどのように汚れているのか明確になることで、ご自身の歯磨きの磨き癖などもわかりますので、今後のホームケアにも役立てることができます。

プラーク(歯垢)の付着を調べます

位相差顕微鏡を用いた口腔管理

当院では位相差顕微鏡による動画撮影・管理システムを導入しています。

患者さまの歯や歯茎の間にあるプラーク(歯垢)を採取し、高解像度の位相差顕微鏡にて観察することで、プラーク内に存在している細菌を確認します。炎症反応によって生じる血球成分も観察できるため、炎症状態もリアルタイムで見ることができます。これらを動画として記録することで、治療前後の細菌環境を比較し、治療に役立ててまいります。

位相差顕微鏡を用いた口腔管理

また、お口の中の細菌は肉眼で確認することができません。そこで位相差顕微鏡を用いて患者さまご自身の「目」で確認していただくことで、日常の歯磨きの大切さや、口腔ケアをおこなうことのモチベーションアップにもつながっています。

歯周病の原因菌検査を実施します

人間の口腔内には、数百種類ものさまざまな菌が存在するとされており、菌の種類や量によって、歯周病になりやすさにも個人差があります。

そこで当院ではご希望にあわせて、歯周病の原因菌を把握する検査(リアルタイムPCR検査)を行っています。これにより、患者さまのお口に存在している歯周病菌の種類や量をより明確に把握することが可能となります。

リアルタイムPCR検査

患者さまのお口の中の歯周病菌の原因菌が特定できると、その歯周病菌に効く薬(抗菌薬)を処方することができます。ピンポイントで対処できることで、歯周病予防の効果を格段にアップすることにつながります。

この方法は「歯周内科治療」と言われる治療法です。

歯周内科治療の詳細はこちら

軽度の歯周病

ポケット(歯肉と歯の間のすき間)が広くなります。

そこから出血したり膿が出たりして口臭を感じる場合があります。

《治療方法》
歯科医院にて歯石の除去を行います。その後、歯磨きの仕方や生活習慣を改めることにより症状の改善を図ります。

軽度の歯周病

中度の歯周病

ポケットでの炎症が慢性化し、歯根膜、歯槽骨が先端部より溶けてきます。

口臭もあり歯が浮いた感じがします。強く噛むと痛みを伴い、歯がぐらついてきます。

《治療方法》
歯石の除去に加え、細菌感染によって汚染された部分も専用の器材にて清掃します。この治療で症状が改善されれば、メインテナンスに移行します。

中度の歯周病<

ルートプレーニング

ルートプレーニングは、歯周ポケット内に入り込んで沈着した歯石を取り除く治療です。歯周ポケットの深い部分まで歯石や汚染物質が入り込んでいる場合は、麻酔を使用することもあります。

歯ぎしり

歯周内科治療を行います

歯周内科治療

当院は中度以上の症状の歯周病患者さまに「歯周内科治療」を行い、根本的原因の改善に取り組んでいます。

従来の歯周病治療は、炎症の原因となるプラークや歯石を除去したり、正しいブラッシング方法を伝授するといった方法がほとんどです。これでは一旦症状が改善しても、生活習慣が戻れば再発してしまいます。

そこで、位相差顕微鏡を用いて口腔内に存在している細菌はもちろん真菌や原虫など種類の特定や、リアルタイムPCR検査を用いて歯周病菌のDNA検査を行います。特定された菌に感受性のある薬剤を選択して処方を致します。

その後、歯科衛生士によるスケーリングやルートプレーニング(SRP)やブラッシング指導も行い、口腔内環境を整え後戻りしにくい状態にしていきます。

重度の歯周病

歯根を支えている歯槽骨がほとんど溶けてしまいます。

歯根が露出し、歯のぐらつきがひどくなり、最後には抜けてしまうこともあります。

当然、硬いものは食べられません。

重度の歯周病

歯周病は定期管理で予防ができます

治療が終わったあとは、メインテナンスで再発を予防しましょう。

患者さまの歯周炎の状況やブラッシング状況等で最適な定期検診間隔をアドバイスさせて頂いています。

むし歯や歯周病の予防だけでなく、白くて健康な歯を保ち、トラブルは早期発見・早期治療できるよう、当院のメインテナンスをご活用ください。

予防歯科治療の詳細はこちら

歯周病は予防できます